8月16日放送のTBS日曜劇場『VIVANT』第14話が、放送直後にSNSの世界トレンド1位になった。理由は単純だ。シリーズを通して乃木(堺雅人)の命の恩人として描かれてきた野崎(阿部寛)が、別班の情報を海外に流していた張本人だと判明したからだ。「まさかあの野崎が」という驚きの声がタイムラインを埋め尽くし、放送翌日も考察記事が相次いで出ている。なぜこのタイミングで野崎の裏切りが明かされたのか、そしてそれは本当に単純な「裏切り」と呼べるのか。第14話が仕込んだ伏線を、筆者なりに整理してみたい。
第14話で明らかになったこと
第14話では、別班の情報を海外に流していた真犯人が、乃木の恩人である公安の野崎(阿部寛)だったと判明した。野崎は乃木の捜査を新庄(竜星涼)へ向けさせ、自分への疑いを巧みにかわしていたとされる。
野崎の行動は「裏切り」という言葉で片づけられるか
ここで引っかかるのは、野崎が別班員を直接拉致したわけではないという点だ。報道によれば、野崎は乃木に接触して情報交換をする中で、あえて新庄に疑いが向くよう誘導していたとされる。つまり野崎は「実行犯」ではなく「情報の出し手」であり、しかも自分への疑いをそらす手も同時に打っていた。この二段構えの動き方は、単なる保身にしては手が込みすぎているように見える。
なぜ新庄を身代わりにする必要があったのか
新庄はすでに別班員拉致の情報を持っていないことが第13話時点でほぼ確定していた人物だ。疑いをそらす相手として新庄を選んだのは、乃木が独自に彼を追っていた流れに野崎が乗っただけとも取れるし、あるいは野崎が乃木の捜査の方向をあらかじめ読んでいたとも取れる。後者だとすれば、野崎は乃木の思考パターンを熟知したうえで動いていることになる。
「機密情報と引き換えの保護要請」が意味するもの
野崎が他国の諜報機関に求めたのは金銭ではなく「保護」だ。これは野崎自身に、公安という立場ではもう守り切れない何かの事情があることを示唆している。単なる寝返りなら情報を売って終わりだが、保護を求めているということは、野崎の身に迫る脅威が公安内部か、あるいはもっと大きな組織の側にあると考えるのが自然だ。
なぜこのタイミングで明かされたのか
シーズン2は序盤から「別班員の拉致事件」を軸に据えて進んできた。中盤にあたる第14話でその黒幕を明かしたのは、単に視聴率を稼ぐ山場を作りたかったからだけではないと筆者はみている。終盤ではなく中盤で野崎の行動を明るみに出したのは、残りの話数で野崎の動機そのものを掘り下げる時間を確保する狙いがあるのではないか。犯人当てだけで終わらせず、その先の「なぜ」を描くための構成だと考えれば、序盤からの伏線回収がまだ途中であることにも納得がいく。
独自仮説:野崎が本当に守ろうとしているもの
ここからは筆者の推測になる。野崎と乃木、そして次回登場するチンギスの3人は、いずれもノゴーンベキ(役所広司)に命を救われた過去を持つ。3人とも、彼の遺志を継ぐ立場にある人物として描かれてきた。この3人の共通点を踏まえると、野崎の「裏切り」は公安やシンシーに対する裏切りであって、ベキの遺志そのものに対する裏切りではないのではないか、と筆者は予想する。つまり野崎は、乃木たちには言えない形で、ベキが遺した何かを守るために、あえて自分を「裏切り者」の立場に置いた可能性があるのではないかと見立てている。
もしこの見立てが正しければ、野崎が本当に恐れているのは公安に情報が渡ることではなく、シンシーや別班以外の「第三の勢力」にベキの遺したものが渡ることではないかと筆者は考える。この仮説はあくまで筆者の推測であり、今後の展開次第で覆る可能性がある点は先に断っておく。
第15話のチンギス登場が握る鍵
8月23日放送の第15話では、シーズン1で強い存在感を放ったチンギスが、シーズン2の本編に初めて姿を現す。チンギスは野崎・乃木と同じく、ベキが営む孤児院「テント」の出身であり、2人と同様にベキへの敬意が厚い人物として描かれてきた。野崎が誰かを守るために孤立を選んだのだとすれば、その孤立を解く鍵を握るのはチンギスになるのではないかと筆者は予想する。別班・公安・バルカ警察・シンシーという4つの勢力が絡み合う中で、チンギスの登場が野崎の真意を引き出す起点になるかどうかが、次週以降の見どころになりそうだ。
よくある質問
野崎は完全な敵に回ったのか
現時点の報道情報では、野崎が別班員を直接的に傷つけたという事実は確認されていない。情報の流出元であることは判明しているが、その動機はまだ明言されておらず、単純な敵対関係と断定するのは早計だと筆者は考える。
新庄はもう物語から退場するのか
新庄は拉致事件への関与を否定された形だが、退場を示す情報は見当たらない。むしろ野崎に利用された側として、今後別の形で物語に関わってくる余地は残されている。
シンシーとは何者か
報道では中国側の別班に相当する存在として紹介されている。野崎が接触した相手であり、今後シーズン2の対立構図の中心になっていくとみられる。
まとめ
第14話は「恩人だと思っていた野崎が裏切り者だった」という衝撃だけで終わる回ではない。野崎の行動を丁寧に追うと、単純な寝返りとは言い切れない不自然さが随所に残っている。その不自然さこそが、第15話以降に回収されるべき伏線だと筆者はみている。チンギスの本格登場を経て、野崎の裏切りが本当に何を守るためのものだったのかが明らかになるまで、目が離せない展開が続きそうだ。
参考・出典
- MANTANWEB – VIVANT第14話関連ニュース
- シネマトゥデイ – VIVANT第14話ネタバレ記事
- Yahoo!ニュース(リアルサウンド) – 野崎の裏切りに関する考察記事
- Yahoo!ニュース(WEBザテレビジョン) – SNSトレンド反応まとめ
- 映画ナタリー – VIVANT第15話予告関連ニュース


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