『ブラックトリック』考察|「でっち上げの天才」の噓という伏線

『ブラックトリック』考察|「でっち上げの天才」の噓という伏線

フジテレビ系月9『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』が放送4話を終えたところで、SNS上での言及量がじわじわ増えている。視聴率だけを見れば初回6.2%から第3話4.6%へと下降傾向にあり(ビデオリサーチ調べ・関東地区世帯)、数字だけを追う記事では「苦戦」と片づけられがちだ。しかし筆者はこの見方に違和感がある。数字が伸び悩む一方で、GACKT演じる主人公・浦真鷲直人の名前や設定を巡る考察投稿は回を追うごとに増えており、視聴率とは別の熱量がこのドラマには生まれている。今回はその熱量の正体を、伏線という切り口から整理してみたい。

なお本稿は放送済み回のストーリー展開を詳細に紹介するものではなく、あらすじは大まかな範囲にとどめる。

なぜ”でっち上げの天才”は噓を武器にするのか

本作の浦真鷲直人は、敏腕弁護士であると同時に一級建築士でもあるという異色の経歴を持つ。建築知識を駆使して証言の矛盾や隠された証拠のありかを暴き、依頼人を救うためなら大胆な駆け引きも辞さない。第1話のモデルプレスの紹介では「嘘によって歪められた真実を暴いていく」人物と説明されており、この”噓で噓を暴く”という逆説的な戦い方こそが「でっち上げの天才」という異名の核心だ。単なる法廷劇のギミックではなく、正攻法では勝てない相手に対する彼なりの倫理観の表れと見るべきだろう。

「浦真鷲直人」という名前は伏線か

筆者が特に気になっているのは、主人公の名前そのものだ。「うらまわし・なおと」という読みは、裏で物事を動かす、水面下で手を回すという意味の「裏を回す」という言葉を連想させる。もちろんこれは筆者個人の受け取り方であり、制作側が公式にそう説明しているわけではない。ただ、法廷という表舞台ではなく、建築士としての知識や部下たちを使った裏工作で真実を暴くという行動パターンと重ね合わせると、単なる偶然の当て字とは考えにくい。名前自体が、彼の戦い方を暗示する伏線になっているのではないだろうか。

古瀬義親という影

第4話では、帝都医科大学を舞台に入試の得点調整疑惑が描かれた。神経内科教授・島津真理子(野波麻帆)が不正を疑われ、契約していた製薬会社との関係が白紙に戻るという展開だ。この回で存在感を増しているのが、北村一輝演じる大物政治家・古瀬義親である。古瀬は主人公に直接接触せず、コルディア総合法律事務所代表の森木銀次(生瀬勝久)を介して間接的に圧力をかけてくる。声を荒げるわけでも、あからさまに敵意を見せるわけでもないのに、視聴者の間で「嫌な伏線」と評されているのは、古瀬が終始「自分こそが正しい側にいる」という確信を崩さないまま迫ってくるからだろう。

独自仮説|浦真鷲は”でっち上げられた”側だったのではないか

ここからは筆者独自の仮説である。まず注目したいのは、浦真鷲がなぜ弁護士でありながら一級建築士の資格まで持っているのかという点だ。建築士は図面や構造の”隠れた欠陥”を見抜く職業であり、これは法廷での”隠された証拠”を見抜く彼の弁護士としての強みと重なる。次に、古瀬が主人公と直接対峙せず、森木という第三者を介して間接的に接触してくるという描かれ方にも注目したい。これは権力者が自らの手を汚さずに標的を追い詰める、いわば”でっち上げ”の典型的な構図だ。

この二つの事実――建築士という「欠陥を見抜く目」を持つに至った経緯と、古瀬に象徴される「間接的に人を追い詰める権力の描き方」――を重ねると、筆者は浦真鷲自身がかつて、古瀬のような何者かによって法廷の外で”でっち上げられた”当事者だったのではないかと考えている。だからこそ彼は法廷の中だけでなく、建築という別の知識を武器に、証拠そのものの信頼性を疑うところから戦いを組み立てるのではないか。これはあくまで筆者の推測であり、今後の展開次第で覆る可能性がある点は付け加えておきたい。

よくある質問

Q. 『ブラックトリック』はどこの局で放送している?

A. フジテレビ系「月9」枠で、2026年7月20日から毎週月曜21時に放送されている。

Q. 浦真鷲直人役は誰が演じている?

A. GACKTが演じており、本作がフジテレビドラマ初出演かつ月9初主演となる。

Q. 視聴率は今どのくらい?

A. 初回6.2%、第2話4.7%、第3話4.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区世帯)と推移している。

まとめ

視聴率という一つの物差しだけで見れば『ブラックトリック』は苦戦中という評価になりがちだが、主人公の名前や設定に仕込まれた伏線を追っていくと、このドラマにはまだ語られていない過去が丁寧に隠されているように感じられる。今後の展開で浦真鷲直人の”噓”の理由がどこまで明かされるのか、引き続き注目したい。

参考・出典

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