マギアレコード|うい・灯花・ねむの願いとは?マギウスの翼が生まれた本当の理由【アニメ版】

マギアレコード|うい・灯花・ねむの願いとは?マギウスの翼が生まれた本当の理由

〈ワルプルギスの廻天〉から始まったまどマギシリーズの深掘りも、いよいよ核心に近づいてきた。今回扱うのは、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(マギレコ)の物語全体を貫く組織「マギウスの翼」が、なぜ生まれたのかという話だ。その起源には、3人の少女が交わした一つの願いがある。
※本稿はTVアニメ版の展開に基づく。マギレコはアニメ版とゲーム版で物語の展開が大きく異なるため、ゲーム版をプレイ済みの方は結末が異なる場合がある点にご留意いただきたい。

始まりは、姉の秘密を知ってしまったことだった

すべての始まりは、環いろはが「妹・ういの病気を治してほしい」とキュゥべえに願ったことにある。いろはは魔法少女となり、ういの回復と引き換えに、人知れず魔女と戦う日々を送るようになった。

しかしある日、そのいろはが魔女と戦っている姿を、うい・灯花・ねむの3人に見られてしまう。ここで3人は、魔法少女という存在の実態を初めて知ることになる。友人である環灯花と成瀬ねむは、とても聡明だった。二人はキュゥべえの正体と魔法少女という契約の仕組みを、自分たちで調べ上げて理解した。これまでの魔法少女たちは、「いずれ魔女になる」「ソウルジェムが壊れれば死ぬ」という契約の本当の代償を知らないまま、キュゥべえと契約してしまっていた。灯花とねむは、その事実を知った上で、なお姉のいろはを救うために立ち上がることを選んだ。

こうして3人が目指したのは、「魔法少女が魔女になるという宿命そのものを断ち切ること」だった。キュゥべえが魔法少女に力を貸す代わりに得ている「回収」「変換」「具現」という3つの機能を、自分たちの手に奪い取ってしまえば、魔女化という宿命自体をなくせるのではないか——そう考えた三人は、それぞれ別々の願いを叶えた。

  • うい:キュゥべえの「回収」の力を奪う願い
  • 灯花:「変換」の力を奪う願い
  • ねむ:「具現」の力を奪う願い

3つの力が三位一体で連動すれば、魔女という存在自体をこの世界からなくせる——そういう理想を掲げた願いだった。

願いが暴走した結果

しかし、この願いはあまりに大きすぎた。ういが引き受けた「回収」の力は、想定をはるかに超える量の穢れを吸収し始め、灯花の「変換」もねむの「具現」も処理が追いつかなくなった。ういのソウルジェムはみるみる穢れていき、魔女化しかけるところまで追い詰められる。

完全に魔女となってしまう直前、ギリギリのところで、ういの魂を肉体から抜き取り、空になっていたキュゥべえを器としてそこに封じたのは、ねむだった。この行為の代償は大きかった。ういという存在そのものが、この世から消えてしまったのだ。それに伴い、姉のいろはも、友人の灯花も、ういに関連する記憶を丸ごと失ってしまう。ういの魂を封じた張本人であるねむだけが、ういに関わるすべてを覚えている。

独自仮説:なぜ思想として歪んでいったのか

ここからは筆者の推測になる。3人の願いは、当初「誰かを助けたい」という純粋な動機から出発していたはずだ。それがなぜ、後にマギウスの翼という「魔法少女を救済する」という名目の元、過激な思想集団へと変貌していったのか。ここで見逃せないのは、記憶を失ったいろは・灯花と、すべてを覚えているねむとでは、抱えているものがまったく違うという点だ。

ういの記憶を失ったいろはと灯花にとっては、「なぜこんな喪失を抱えているのか」という因果が完全に断ち切られてしまったのではないか。人は理由がわからないまま大きな痛みだけを負わされると、その痛みを正当化するための物語を後から作り出してしまうことがある。特に灯花は、失われた記憶の代わりに「魔法少女は皆、この理不尽な運命から救済されるべきだ」という抽象的で巨大な使命感を、痛みの説明として上書きしてしまったのではないだろうか。

一方のねむは、すべてを覚えている。だからこそ、より根深いのではないかと筆者は見ている。ういの魂を自らの手で封じたという事実ごと、忘れることができないねむにとって、ういを救うという個人的な願いは薄れることなく持ち続けたままだ。その一点だけの願いが、時間をかけて「うい一人ではなく、すべての魔法少女を救わなければ意味がない」という普遍的な使命にすり替わっていったのではないか。覚えているからこそ逃げ場がなく、自らの選択への後悔を、より大きな大義に昇華させることでしか前に進めなかった——そう考えると、ねむがマギウスの翼という思想に最後まで留まり続ける動機にも説明がつく。

記憶を失ったいろはと灯花は痛みの意味を見失って思想に飲み込まれ、すべてを覚えているねむは痛みの意味を背負い続けたまま思想を選び取った。同じ結論に、正反対の道筋でたどり着いた三人——というのが筆者の見立てだ。この仮説は今後の展開次第で覆る可能性がある。

まとめ

  • うい・灯花・ねむの3人は、魔女化の宿命を断つためにキュゥべえの機能を奪う願いを叶えた
  • 願いは暴走し、ういは魔女化寸前でねむの手により魂をキュゥべえへ封じられ、この世から存在ごと消えた
  • ういの魂を封じたねむだけがういに関わる記憶を保持し、いろはと灯花はういに関する記憶を丸ごと失った。それぞれ異なる道筋でマギウスの翼という思想に至ったのではないか、というのが筆者の仮説

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